創発的戦略

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「創発的戦略」に関して、専門家から様々な提言(定義)されていますが、現場の実務を担ってきた者として、私なりに一言でいえば、「現場情報こそが重要であり、現場情報を如何に正しく把握するかを追究(し、「顧客(「社会」)価値」を実現)する営みである。」となります。
なぜならば、「現場」こそが「顧客価値」(顧客ニーズ・満足)を生み出す「場」であるからです。

なお、次のようにも言われています(この時代18世紀から言われています。<私の実務現場用語も混ぜて解説しています。>)。

「事業計画立案部門」「現場」(生産現場、販売現場、債権回収現場<私原田の実務現場>等すべての現場)間の情報交流(トップ立案の「戦略・戦術・戦闘計画」と「戦いの現場が把握した実態情報」からのフィードバック情報)により「戦略・戦術・戦闘計画」を見直し、現場実態に即した「戦略・戦術・戦闘」を遂行しようとする戦略です。(『戦争論』:クラウゼビッツ<1780-1831>)

→戦いの鉄則を述べたものであり、この時代から『現場』発の情報が重要であることを言っています。(現場からのフィードバックが重要と読み替えることもできます。→現場の戦闘で勝利しなければ、戦略・戦術で勝利したとは言えません。あるいは個々の戦闘現場の状況が正しくフィードバックされなければ全体戦略で勝利することは出来ません。

もちろん、どのような時代においても「計画」すなわち「戦略」が重要であることには変わりはありません。(「戦わずして勝つ」という計画(「戦略」)すらあるわけです。しかしそれさえも「現場」(「現地」)情報を正確に把握分析して判断されるわけです。「現場」が壊滅的になった段階では誰も和議に応じません。すなわち「現場」が強くなければ、交渉は成立しないのです。

『戦争論』はあまりに古典すぎると思われるかも知れませんが、現代において「(計画)(実行)(チェック)(アクション)サイクル」と言われますが、上の「現場からのフィードバック情報が重要である。」点は不変です。人がなす活動原理は古今東西不変です。

しかも、情報化の進展、変化スピードの速さにより、計画を立てた段階では、現場は既に変化しており、恒常的に計画は見直されなければいけない事態になってきています。
如何に速く「現場情報を得るか」事業の成否は将に、ここにかかってきています。

そして今や、「自らのみが勝利する」時代から、「双方が勝利」(更にその先の社会や自然にも適応)しなければ、「事業に勝利」(「事業に成功」)したとは言えない時代となっています。 

したがって「契約によって実現」するべきは、契約当事者双方のミッション(存在意義や使命)である「顧客価値の実現」かつ「社会貢献」(「三方よし経営」や「SDGs」等)に繋がるものでなければならないものとなってきています。(存在意義や使命を果たさない事業は永続できません。「顧客価値」や「社会貢献」を実現し「顧客」「社会」から評価を得、対価を獲得し続けなければ事業は存続できないからです。

ここに問われるのは「協働の関係としての契約」という新しい時代の「契約の概念」であり、これを「協働契約」ということが出来るでしょう。


契約当事者双方の協力、協働(「協働契約」)によって「顧客価値」を創造し、「社会貢献」(「存在意義を獲得」)していくこと。

しかもそれは、契約当事者双方の「現場」から源泉が沸き出でるような「創発的」なものであります。(源泉の元はお客様のニーズやお客様の満足であり、これに応える続ける「現場の人たちの<チーム力><協働力>」を不断に鍛え続けることが事業の核心です。)
以上が時代的に必要となっている「創発的戦略」の意味内容です。

尚、以上の創発的戦略と計画的戦略とのバランスが必要ともいわれています。(→「『業務委託契約』(協働契約)によるPDCA実践の時」とし、「創発的戦略」によるボトムからの思考と実践について提案しています。)

【複眼思考:ご参考】:【ミクロの視点】と【マクロの視点】
私は、ミクロの視点が、私たち中小事業者には重要と考えています。すなわち、当サイト「契約の結び方(具体論)」の一連のページをご参照ください。

また、【マクロの視点】(「ルール形成戦略室」設置))の紹介をしておりますが、わたくしは、これ(「ルール形成」)こそが日本の「通商産業政策の課題」であり、同時に「中小企業政策」の重要課題、すなわち国家戦略上の最重要課題であると考えています。

中小企業が強くなる(底上げを図る)政策を採らなければ、マクロな競争優位性、すなわち国際的な競争優位は徐々に失われてくると考えています。中小企業の「現場力」が、日本の「通商産業力の源泉」と考えるからです。この意味においても、「創発的戦略」(現場からの創発力)が問われています。

したがいまして、私の出来る範囲から一歩一歩(DIY)、
「契約の結び方」につき「具体的に」提案し進めたいと考えています
。(法律上の「基礎」理解と「具体的」実践が、マクロ(グローバル)の強み獲得に繋がると確信しています。)

→「契約の結び方(具体論)」([法律上の「基礎」] ご参照)

最後までお読み頂きまして有難うございます。忌憚のないご意見・ご質問等をいただけますとうれしく存じます。そして連帯(協働)できれば幸いです。よろしくお願いいたします。(初版2016年8月5日 改版(1)2023年12月16日原田 豊)

【追記】「顧客の定義」の重要性についてのblog投稿記事です。

大企業の事例ですが、中小事業者にとってマスト事項です!~
「顧客の定義」を誤ると、如何に現場を掌握したとしても事業は破綻するでしょう(2016年10月3日)

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