「工事進行基準」と「顧客価値」

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東芝の不正会計で昨年からにわかに取り上げられていますが、2008年~2009年にかけ、4月から「工事進行基準が標準になる」と大騒ぎしていたものです。すなわち、「誰がどうチェックするのか?どう組織化するか?」の「内部統制」上の課題です。

          3C分析におけるCompany「自社」 

      

「完成基準」であっても、同様のことが求められており、基本は同じだと考えます。「完成基準」においても「多段階契約とする」・「総額が変わるのであれば、再見積りする」等 従来から求められています。

 (キャッシュフロー経営上、月単位で適正な早期回収が求められます。)

違いは会計期間をまたがる長い工事案件等について「工事進行基準」で、会計原則に則り適正に計上しなさい!キチットただしく税務申告しなさい!(原価の先延ばし、あるいは収益の過少計上はダメ!)ということであって、先が長いから「総額」(売上、原価)の把握(「見積もり」)が難しい。だから、「適当にやっておけ」とか「上手くやっておけ」など、企業経営にあってはならないことです。

ですが、ありがちだから監査法人の存在があるわけで、その限りで論及するならば、監査法人の責任は東芝以上に大きいでしょう。また、個人なら他人や公益に反しない限り「自己責任で」自由で良いという考えも成り立つでしょうが、企業や国家はそうはいきません。

企業や国家の存亡には多くの個人の生活や安全や生命がかかっているワケですから。

1人や2人では解らないこと、出来ないこと、難しいことを解る人と連帯・協働し、手抜きせず解るようにしていく。あるいは「三人寄れば文殊の知恵」のごとくに「協働する組織を創っていく」それが経営者の仕事です。当たり前のことを地道にやるのが事業の基本であり、遵法も基本です。基本をやらせるのが経営です。一方、誰がどうやっても出来ないこと、不合理なこと等で、法(各種制度や法律)が間違っている場合があります。そのような場合は、拠って立つところの制度・法律を改正ないし廃止すべきです。そういう目線と行動が、国民主権国家としての基本的在り方でしょう。

<注>2つの補足が必要です。

1つ本件の場合例外が規定されています。すなわち「工事収益総額」「工事原価総額」決済日における「工事進捗度」を信頼性をもって見積もることができない場合は「工事進行基準」の適用ができません。

      PEST分析におけるolitical「政治・法律・制度」

2つ、1人や2人の請負的作業で難しいこと、出来ないことを出来るようにするのは技術者(エンジニア)の仕事です。特にソフトウェア開発業界(IT業界、SIer)のエンジニアの仕事です。経営者はIT(昨今はICT)、ビッグデータ、クラウド、人工知能等々の技術動向を的確に見据えた経営視点が不可欠です。

      PEST分析におけるehnology「技術」

一方、外との関係性においては、「お客様との仕事の協業(協働)のありかた」すなわち、お客様の価値実現を図りながら「総コストの視点から企画提案」を行い、丁寧にち密に見積もり作業を行うこと。これが課題となります。

すなわち、いかに「WinーWin関係、信頼関係を構築するか!」であり、営業の基本命題なのです。先に紹介致しました実践事例『営業開発のステップ』(※)が参考になると思います。~価格競争ではなく、顧客価値をご提供できた【成果事例】です。具体の詳しくは、「お問合せ」ください。

(※)本『営業開発のステップ』についての【補足説明】:

営業活動の目的をどう設定するかが活動の原点です。顧客の「経営ビジョン」次元のニーズ「顧客価値の実現」を目的として、どう「WinーWin関係、信頼関係を構築するか!」を【目的】としています。(顧客側ROIの視点、TCOの視点)。

       3C分析におけるCustomer「顧客ニーズ」

企業経営にとって「営業とは何か」すなわち営業の対象たる「顧客の定義」が最重要です。 

東芝(及び監査法人)の悲劇は「顧客の定義」を誤ったところにあると思います。

(監査法人は監査機能を果たす使命からして一私企業に求められる以上により高い広い深い「顧客の定義」が求められます。)

その意味で、従業員一人一人も気づいていたはずです。この仕事は、誰のための仕事か?日々の仕事は誰のためか?

東芝だけではないですが、大企業の多く、そして国家にも問われているのではないでしょうか。東芝の再生なるかは、他人事とは思えません。われわれすべての「日常の生活にリスク」が潜んでいます。

     (日々の「業務プロセスにおけるリスク管理」の課題!)

「営業開発」も契約段階における「システムの開発」も同じく「営業活動」であり、目的は同一なのです。 共に「工事進行基準」にいうがごとく「業務プロセスにおけるリスク管理」の地道な実践!

軸をぶらさず、「顧客価値の実現」に向けてどう日々を行動するか!

    

まずは、「顧客の定義」が第一ステップ、原点中の原点です。

※【ご参考】「PEST分析」「3C分析」・・・等の『事業戦略』ツールをご案内します。

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