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契約プロセスにおける信義則【参考】

「契約プロセス」における問題の発生:

これは上記の「契約書」の有無(契約する・しない)の問題ではなく、「契約プロセス」上の問題です。以下のようなケースはよくあることです。

コンピュータ・システムの開発で、提案書にしたがって、ユーザー側への「ヒアリング調査」「システム化必要要件」等の現場作業に着手して数ヶ月、正式な契約書の締結がなされていない状況下で、ユーザー側の役員会で当該システム開発が未決済となり、現場責任者から、ベンダー(ソフト開発会社)営業責任者に急遽作業中止の要請があった。

 「契約の成立」の考え方:

「契約書」が交わされていなくとも、「契約の成立」が認められる場合があります。上記のケースの場合の作業中止要請は契約の解除にあたり、解除されたベンダー(システム開発会社)側から損害賠償を請求できる場合があります。 また、「契約の成立」が認められない場合でも、契約の交渉のプロセスにおいて信義に反する行為をとり、契約成立をさせなかった相手方に対し損害賠償を請求できる場合があります。損害賠償の可否・その額は、具体的な契約プロセスの経緯や作業内容によって個々に異なるとされています。

 

【重要ポイント】-法律&判例知識ー

 「契約の成立」時期:

 日本の法律では、「契約の成立」は書面を必要としていません【原則】 。しかしながら、書面によらなければ成立しないとされる【例外】(保証契約、労働関係の法規の一部、特定商取引法の一部等、又公正証書によらなければならない任意後見契約等)もあります。
また、金額が大きく、作業内容や報酬額が確認された段階で「契約が成立」されたとされる契約類型もあります。ソフトウェア開発請負契約建築請負契約等です。

 
「契約が成立」した場合:

「契約が成立」した後の中止要請であれば、たとえ書面がなくとも、次の規定により損害賠償することができます。(請負契約の場合)。

「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。(民法第641条)。

※【留意事項】ただし、書面で契約書が交わされていない場合は、「契約成立」が認められにくいため、ベンダー(ソフト開発会社)にとって、書面がないまま作業に着手することは大きなリスクを背負うことになります。

「契約成立」していない場合:
~「契約締結上の過失」理論による損害賠償請求~

契約締結に至るプロセスにおいて、一方当事者の責任によって、相手方に予期せぬ損害が発生した場合に、責任のある当事者は、相手方に対して損害を賠償する責任があるとされます。法律上の規定ではなく理論であり、実際にこの理論により損害賠償を認めた裁判例があります。

契約締結に至るプロセス段階では、「契約締結の自由」がありますから、「契約締結」をしなかったから違法ということで損害賠償が認められるということではありません。【原則】
契約締結上の過失の理論とは、「契約の準備段階に入った当事者は,相手方当事者の財産等を害しない信義則上の義務を負いこの義務に違反して相手方に損害を発生させた場合に、これを賠償しなければならない」とする法理のことをいいます。
(民法等の条文で定められているものではなく、判例法理として確立されたものです。)

この法理が、システム開発の場合にどのように適用されているのか、実際の裁判例に基づいて確認してみましょう。実際の裁判で、契約締結上の過失の理論に基づいてベンダー(ソフト開発会社)がユーザーに損害賠償を請求した事案には、名古屋地裁平成16年1月28日判決、東京地裁平成17年3月28日判決、東京地裁平成17年3月24日判決などがあります。これらの事案では、いずれも、ベンダーがユーザーに対し、開発費用等を請求しています。

なお、これらの裁判例では、以下のような事実認定に基づいて、ユーザーに信義則上の義務違反があったかどうかを判断しています。

(1)請負契約の要素である「仕事の内容」「請負代金」についての合意がどの程度成熟した状態であったのか

(2)契約が成立しなかった理由

(3)損害が発生した原因

この「契約上の過失」理論につき、この度の『民法(債権関係)の改正に関する中間試案』で検討されました。ご参照ください。

以上を踏まえた上で、法的【要件】を確保し、初期の法的【効果】を確保するため、戦略交渉します。

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