IoT社会が問うもの、一所見


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日本経済新聞 2017年3月28日(火曜日)12面 Opinionから抜粋。

ードイツでは産業革命につながる「インダストリー4.0」が進んでいます。から始まる。
・・・・「だからこそ企業はデジタルトランスフォーメーション(事業変革)が必要だ。ものづくりから一歩進んだ新しい事業を創造しなければならない。その際に一番重要なのはデータだ。」(独SAP上級副社長 ターニャ・リュッカート氏)

ーIoT時代の到来は日本のチャンスですか。の問に対し、
「製造業に強い日本には確かにそうだろう。だがIoT時代というと、日本はとかくいいセンサーや関連部品をつくろうとしがちだ。米国はそのしくみを使ってどんな新しいサービスを生むかに知恵を絞っている。日本企業はそこを間違ってはならない。 」
(ウェブを考案した英科学者 ティム・バーナーズ=リー氏)

一番重要なのはデータなのか?
日本企業は間違っているのだろうか?

この記事を読み、違和感を覚えたのは私だけだろうか? この2つの疑問符に応える(反論を展開する)だけの知見を持ちえていませんが、発言の立場(価値基準)が不明なので、必ずしも適切ではないかもしれませんが、私には両名ともに必ずしも核心を突いているとは思えない。 日本は(世界も)まともに受けない方が良いのではないでしょうか。

「データが重要であり、製造業の勢力図が激変している」という実態はそのとおりだし、AIが人間よりすぐれた一面(多面においても)をもつのも事実であるとは思われます。が、その実態を受けてどう進路を採るかは、千差万別あるのが自然であるし、またそうあってもよいのではないでしょうか。

少なくとも「データ」より「情報」が重要だし、「もの」さへ満足に与えられていない人々がいることも実態でしょう。社会の事実がどうなっているのか、それこそデータ(取りだせる情報)に基づいて正しく判断するところから始めるべきだと思う。
それがビッグデータの活用の姿、実態でしょう。

つまり、「取り出せない情報」が存在するという実態を謙虚に受け止めることを、人類は片時も忘れてはならないのではないだろうか。

その実態についての正しい情報を得て、
(1)どこに市場性(ニーズ、事業機会)があるのかを企業として判断をくだす。
かつ、

(2)「取り出せない情報」とそのことによる「リスク対策」を、だれが、だれと、どう進めるか。
そういうことではないだろうか。少なくともこういう二面的側面が必要と考えられる。
そして「何のために」という価値感の世界標準が、今こそ真に問われる時を迎えているのではないでしょうか?

原則、多元な価値感を認めるのが良いが、認められないものもあるでしょう!「それは何か」の真摯な問いかけ、合意に向けた真摯な会話が必要と考えられます。
私は、それが「契約」(協働の関係としての契約)であると考えています。

「法律」は必要十分ではなく、「契約」の自由原則の積極的機能のプラスの側面と相まって必要にして十分な条件を満たすと考えています。
むしろ「法律」は「契約」を下支えするもの(契約自由のマイナス面を制御・統制すべきものが「法律」の果たすべき最大の責務)ではないでしょうか。

→原則、理念として「法の支配」とは、そこをいうのでしょうけれども、一般に膾炙していませんし、為政者が実行していないところに、理念が理念化してしまっている原因があるのではないでしょうか?!
「契約自由の原則」を正しく、つつみ隠さずに「見える化」していくこと!これが今後の重要なテーマであると考えられます。

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