「協働の関係としての契約」は競争の一形態である


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当サイトが推進する「協働の関係としての契約」(「協働契約」)は競争の一形態であります。が、競争を超えるものでもあります。

以下非常に重要な示唆がありますので、『戦略サファリー戦略マネジメント・ガイドブックー』(ヘンリー・ミンツバーグ他:東洋経済新報社)(p272)より抜粋引用します。下線は当サイト管理者(原田 豊)が付加したものです。

コラボレーション・アドバンテージの原則

1.コラボレーションとは、競争が姿を変えたものである。

成功する会社は、新しいパートナーが自分たちを倒そうとしているかもしれないことを決して忘れない。アライアンスを組むに当たっては、明確な戦略的目的をもって臨み、またパートナーの目的が、いかに自分たちの成功に影響するかを理解している。

2.成功を測るのに、一番大事な要素は調和ではない。

永久にwin-winの関係が続くようなアライアンスなど稀である。パートナーは、気づかない間にコア・スキルを相手に引渡し、満足していることもある。

3.協調には限界がある。会社は、競争的な妥協に対して防御しなければならない。

戦略的なアライアンスというのは、絶えず発展を遂げる取引きであり、その真の取引条件は、法的な合意や経営陣の意図した範囲をはるかに超えるものである。取引きされる情報は、多くのエンジニアやオペレーションマネジャー(営業マン、現場マネジャー)によって日々決められる。成功する会社は、すべてのレベルの従業員に対し、パートナーに開示してはならないスキルや技術などの情報を与えている。そしてパートナーが求めるもの、また相手側に伝授されたものをモニターしている。

4.パートナーから学ぶことが最も重要である。

成功する会社は、それぞれのアライアンスを、パートナーの広範囲にわたる能力を見わたすための窓として捉える。アライアンスを利用し、正式な契約範疇外にあるスキルを確立し、そしてその新しい知識を系統的に組織内へと普及させる。

競争の一形態を超えて重要な戦略が「創発的戦略」である。

しかしながら、上記原則3.にありますように、日常の取引き活動は法的合意(契約)や経営陣の意図を超えるものであります。しかるに企業のビジョンを如何に従業員に浸透させるかが重要となり、ビジョン実現を共通価値として全従業員の行動にまでつなげることが重要となります。
そして、非開示ではなくパートナーに開示・発信し、積極的に共有すべき情報として「地域・社会」に貢献する「ミッションの共有」が現場から創発的に浮上することとなります。
(契約相手であるパートナーに貢献することは当然として(だから会社としては契約するのであり)、それを超えた法的合意以上のもの(人や「地域・社会」)に貢献するという価値(貢献し感謝されているという感動)が組織内従業員のモチベーションを高揚させるのです。事務的な「契約処理のみ」では感動は生まれないでしょう。)

すなわちハメル他(*)が述べるように4.が最も重要なのであります。
ハメルやプラハードが述べる「正式な契約範疇外にあるスキルを確立・・・組織内へ普及させる」が、当サイトの提案する「ミッションの実現」です。

(*)ゲーリー・ハメルはC・K・プラハードと「戦略は学習に依存し、また学習は能力に依存する」との考えをビジネス界に普及させました。
『企業のコア・コンピタンス』、『ストレッチとレバレッジとしての戦略』、『コア・コンピタンス経営ー大競争時代を勝ち抜く戦略』などを著わしている。
『戦略サファリー戦略マネジメント・ガイドブックー』(ヘンリー・ミンツバーグ他:東洋経済新報社)(p225)に拠る。

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